「陸上王国宮崎」にとって、今年の正月の駅伝は低調で県内の茶の間をわかす場面がなかった。元旦の群馬県での全日本男子実業団は、五連覇が期待されながら、一区から最終区まで首位になることなく、また区間賞選手も出らず三位。大型新人で東京五輪一万㍍出場を決定している相澤晃選手(二三)が欠場だったのも県民はショックだった。
郷土出身が非常に気になるファンばかりで、トヨタ九州・黒崎播磨選手らに数人の選手がいるものの出番なし。東日本代表のホンダで日章学園卒の田口雅也選手(二七)が走ったもののテレビで大きく映る程の走りでなかった。
以前は郷土出身が五、六人はいて声援を送ったものだが、高校、大学までは通用してもその後は一、二年で引退しているのが目立つ。王国にとって不満のひとつか。
名門小林OBで社会人で走っているのは、去年東洋大からトヨタ九州へ入社した今西駿介選手(二三)だけ。箱根大学駅伝で三、四年の時復路の一区山下りを走った。特に去年はぐんぐん下り坂をとばして区間二位ながら同区の歴代二位の記録に輝いている。「トラックよりロードが好き」と大学時代からクロカンを走り海外二カ国にも招待された。高校時代は二、三年生で都大路の三区を走り二年生時は中継。密集地を次々と抜けて十九人をゴボー抜きは記憶に残っている。しかし今季は右足の痛みもあり、九州地区予選では六区を十一位で全日本は自ら辞退することとなった。元旭化成でバルセロナ五輪マラソン銀メダルの森下広一監督の期待も大きい。日本陸連においても、今西選手への期待ははかりしれない。
天福球場に拠点を構える宮崎福祉医療カレッジの主砲川上理偉遊撃手が大分に新しくできた独立リーグの大分B―リングスに入団することになり近日中に合流する。大分高から入学して二年。通算打率三割八分の俊足でパンチもある右打者。また強肩で、体格も一七八㌢と均整もとれていて、夏のクラブ大会九州予選でも大分新球場のスタンドに放り込みびっくりさせた。
夢は何といっても上のプロ入りで、「二年努力して必ず夢を」と、張り切っている。今春独立リーグは熊本でも誕生し沖縄とソフトバンクの三軍など四チームで主に戦うが数試合は四国とも試合をする。また大分は日南市と野球協約を提携して天福球場に姿を見せる予定。医療カレッジは年々チーム力が向上し町おこしと日南市民に夢と希望を与えている。